TDAイノベーションプロジェクト企画見学会第2弾
日本の繊維産業の復活のミッションに向けて日本の産地を
  あらためてリサーチし未来を拓く活動に繋げる為の研修ツアー
日時 2017年7月21日(金)〜22日(土)

新潟十日町は、着物産業の地として知られています。伝統と現代の狭間で真摯な活動を続けています。又、全国に先駆け産地、行政、教育機関を結びつけたインターンシップ制度をいち早く制度化した十日町市の決断や、(株)きものブレイン岡元松男社長の前向きな経営理念と新工場の新設運営には学ぶものが多かったと思います。
今野理事長、東郷副理事長。中山理事、怡田理事、田中理事をはじめ21人が参加しました。

 

7月21日十日町駅前に10:30集合、大型タクシー2台に分乗し十日町織物工業協同組合 事務局長 越村伸弥氏の案内で工場見学に出発しました。
最初に根啓織物を見学。高級織物、明石ちぢみの伝統をつぐ、十日町ちぢみ織、経糸に変形筬を使ってよろけ縞出しによる高級薄手の絹織物を生産しています。その高度な技術と美しさに感嘆しました。
次に(株)桐屋を見学しました。
振袖の1品ものから型友禅、辻が花絞等あらゆる技法を駆使して高級着物を一貫生産している工場です。京都の分業体制と違い、染色から加工仕上げまで一貫した生産体制を取っています。
次に(株)シルクワークを見学しました。
シルクワークは友禅などの蒸し水洗加工、生糸の精練染色加工、白生地の精錬、生地の撥水加工などを手がけている整理加工業の会社です。関東一帯から整理の仕事が入ってくるそうです。
一日目最後は、渡吉織物を見学しました。
三代続く経絣に緯糸をすくい色替えするめずらしい織物で、十日町織物伝統工芸士の認定を受けており絣糸のくくり、糸とり、染め、織り出し等を一族の皆さんがそれぞれ担当して他に類のない仕事をしています。
7月22日、9時40分ホテル出発。
10時、(株)きものブレイン新工場見学。
きものブレインは、雇用260余名を抱えたきもの再生の一大工場です。ユニークな工場経営で新工場は観光型工場として設計されています。社内の壁面には古着の着物生地約800枚で構成された虹のアートが施されたレリーフがあり、トリエンナーレへの参加意欲がうかがえました。
古くなった高級着物を洗いから補修、加工仕上げまで一貫して美しく新品同様に再生させる技術は素晴らしいものです。 岡元社長の前向きな姿勢と経営理念には学ぶものが多くありました。日本の明日を拓く希望を感じました。
越後有妻アートトリエンナーレは北川フラム氏プロデュースで新しいアート表現の先駆けとなったところですが、その一端を垣間見ることのできる妻有里山現代美術館キナ-レに立ち寄り、展示作品を見学、おしゃれなレストランで昼食を楽しみました。
続いて、十日町市立博物館を訪問。国宝火焔土器や地元の展示を観賞しました。明日へのエネルギーを得て、楽しく有意義な見学を締めくくりました。