TDAテキスタイルスクール(後期)
――プロのデザインビジネス講座――

日    時  10月11日(土)
場    所  大阪化学繊維会館
 
講    師  
朝比奈由起子(クリエイティブオフィス5Lira)
小川 良雄 (テキスタイルデザイン ダフネ)

ナビゲーター  
木谷雄二郎 (架空装飾)
矢澤寿々子 (ココ・プラニング)

今回は商品を具体化していく段階の企画・デザインの仕事について、企業の外側の立場で 2社のワークスタイルをナビゲーターとの対話を交えての紹介です。女性のメンバーが多く 和やかな雰囲気で開催されました。スクール構成は1部、クリエイティブオフィス5Lira (朝比奈氏)、2部テキスタイルデザイン・ダフネ(小川氏)の活動について、3部はナビゲーターを通しての質疑応答でした 「クリエイティブ5Lira」は今年で20年を迎えた女性デザイナーによる企画・デザイン事務所です。仕事場には本や素材資料があふれ、ミシンはあってもコンピューターはない、超アナログのワークスタイルです。(今時めずらしい?)人間性、五感プラス女性の第六感を大切にしたモノ作り、得意先とは企画〜デザイン〜最終 商品作りまで(最初から最後まで)取り組む、そのかわり一業種一社としか仕事はしない・・・ 5年計画を立ててダメなら方向転換、など5Liraの基本方針を交えて20年間で転機となってきた仕事をスライドで紹介されました。展示会企画中心の時代から製品企画とデザインさらに製品作りへと、じだいの動きとともに仕事なお用が変化し、現在は5Liraオリジナルブランドを立ち上げ、SPAに挑戦、“オープンアトリエ事務所”を目指しています。「テキスタイルデザイン ダフネ」は30年の歴史を持ち、現在30名のスタッフと最新の コンピューターが置かれているスタジオです。「小川氏を知ることはダフネを知ること」と言われ、飾らない独特の語りで自分史を紹介されました。(メンバーからは時々笑いも起きる)オイルショック、第一次中国、韓国輸出ブーム、バブル期など大きな時代の波を越えられた経験も披露。プロとして専門分野でのデザインレベルを上げる、スピードが一番、得意先とのコミュニケーションを大切にするなどダフネのコンセプトや、人材と経営のバランスまで話されました。同時にデザインワークをスライドで紹介していただきました。地道な市場リサーチから始まる緻密な仕事ぶりがうかがえました。今後は描けるものは何でも描くというモットーのもと3Dを始め広義のイラストレーションの活動を展開されるそうです。ナビゲーターと講師の方々による質疑応答はあらかじめ配布された質問カードを中心に進められました。ビジネスチャンスはどうやってつかんだか?、ボツになった企画の請求は?、企画をとうしために大切なことは?、中国のデザインにたいして危機感は?など素朴な内容でした。2社の活動は内容や目的こそ違え、どちらも哲学を持ち、時代のうごきを読んで試行錯誤しながら進化して来たのだと思いました。ナビゲーターの方々との対話方式でわかりやすくあっという間に時間が過ぎました。企業内外を問わず、企画デザインの業務というものが難しい時代ですが、今後もこのような講座が設けられ、自分とは違う視点からものを見るきっかけになったり頑張る気持ちを起こす刺激になると良いナァーと思いました。

リポート: 5lira スタッフ 吉川
朝比奈由起子 講師
小川 良雄 講師
矢澤寿々子  木谷雄二郎