TDAテキスタイルスクールの目的と意義
-人材こそ再生の原動力 -

TDAテキスタイルスクールが本年5月より大阪と東京同時進行でスタートしました。
従来の部活動としてでなく、TDA本部事業部として一貫した理念で企画されたこのスクールには重要な意義があります。
売り上げ優先で進められた日本の繊維産業が失速し始めた裏には、ソフト面を軽んじた要因があったことを人々は気付始めました。
にわかに
日本商品の付加価値を唱え始め 、ものづくりの基本となる人材の大切さを問い始めました。経済産業省も、その重要さを政策の中に具体化しはじめました。先般の中小繊維製造業者自立支援事業対策でも、デザイナー等クリエーターの活用を条件付けています。
しかし、この中で本当に現在の日本のクリエーター達は新しい時代に対応できるテクノロジーや、哲学と内容を整えているのでしょうか。
従来の延長線上では対応できません。確かに、それらを育て得なかった企業や社会のあり方にも問題がありますが。私達自らも反省を含めてこの事を考えてみなければなりません。
新しい時代に応える質と力を持たねばなりません。TDAテキスタイルスクールは、正にクリエーター自身の自立からなる人材育成の拠点であり、実学の最前線なのです。
未来を拓 く原動力となるリーダーの排出こそ、TDAテキスタイルスクールの目的であり、使命であろうと思います。
大阪では既に昨年より一足早くスクール体制が整い好評を得ました。東京でも5月のスタート第1回に続いて、6月第2回目の講座が開かれましたが、共に、その内容は非常に質が高い視点と展望をもつものと評価を受けています。
私達は、日本の再生と未来を拓く気概と責任を負って積極的にスクールに参加し、共に学び、共に成長すると共に、このスクールの意義を広く社会に拡め、人材育成の役割を果たしたいと思います。

日本テキスタイルデザイン協会
理事長 わたなべ ひろこ